前回書いたとおり、僕は子供の頃に漫画家を志しました。
しかしその夢は程なく小さくなっていきます。
漫画家になんてなれるわけがない、漫画を描いているだなんて人に知られるのが恥ずかしい、という想いからです。
そして僕は、絵や漫画とは全く無縁の仕事に就きました。
学校で身につけた基本的なPCスキルを活かせそうだからという理由で選んだ仕事です。
そこは小さな会社で、社員の平均年齢も高く、PCがあまり得意ではない社員も多くいました。
僕は本来の仕事の合間に会社中を回って、PCが苦手な先輩たちに使い方を教えるということを日常的にやるようになりました。
今までそういったことをやれる人もやろうとする人もいなかったため、僕の行動は社内で重宝がられました。
やがて上司や他部署のほうからそういった依頼が来るようになり、気がつけば僕は一日のほとんどをそうして過ごしていました。
僕は子供の頃に「漫画を描くこと」への喜びを見つけ、いつしかそれを忘れて行きました。
ですがこのような仕事をしながら、僕はふと人生でもうひとつの喜びに出会った気がしました。
それは「他者に教え伝えること」です。
そこに喜びを見出した僕は正式にそうした仕事がしたくなり、インストラクターとして転職することを決めたのでした
つづく
Posted from するぷろ for iOS.