1枚の白い紙を床の上に置いて、クレヨンだか色鉛筆だかで描いた、ゾウとリンゴの絵。
それを見て、父と母がふたりですごく褒めてくれた。
-と、これが僕の中に残る最も古い「絵を描いた記憶」です。
たぶん幼稚園に通っていたくらいの頃だったと思います。
その数年後、といっても小学1年生か2年生くらいの頃。
この頃から、週刊少年ジャンプを読むようになりました。
その中で一番大好きだったのは「聖闘士星矢」。
その熱い展開にどハマりした僕は毎週毎週、次のジャンプの発売日を心待ちにしていました。
しかしある週のジャンプを読み終えた瞬間、ついに僕の中の何かがはじけました。
もう待てない!僕が描く。
…というわけで、次週を待ちきれなくなった僕はたまらず自分でその続きを描くことを決意。
そこからは毎日、ノートにひたすら聖闘士星矢の続きを描く日々が続きました。
やがて翌週のジャンプが発売されても、自分は自分の展開をパラレルストーリーのように描き続けました。
慣れてくると完全にオリジナルの作品を描き始めたり、ストーリー漫画のみならず4コマ漫画などにも挑戦したり。
気が付くと、100枚ノート数十冊にも及ぶ量の漫画を描き上げていました。
未知の物語を頭の中で描き、イメージされたシーンを自分の手で絵として具現化すること。
僕にとってこれはこの上ない喜びであり、僕は漫画家になりたいのだと確信するのに十分な理由だったのです。
つづく